シナモンとクローブが糖尿病者の血糖やコレステロール、血中脂質を下げる

出典:スプーン1杯のシナモンが効く! http://allabout.co.jp/gm/gc/300531/

1日わずか1g(小スプーン1/4)のシナモンを40日間摂取しただけで、糖尿病者の血糖、血中脂質が改善したとドクター リチャード・A・アンダーソンが発表した。
2型糖尿病は、インスリン(ホルモン)がうまく作用しない、あるいはインスリンの分泌能力が低下した状態で、エネルギー源として大切なブドウ糖(炭水化物)が筋肉や脂肪細胞に取り入れにくくなる病気です。そのため、活力が落ちたり、血中にあふれたブドウ糖が血管や臓器を傷害していろいろな合併症を引き起こします。

実験では60人の2型糖尿病者に1日あたり、1g、3gあるいは6gのカプセル入りのシナモンと、ニセ薬としての小麦粉カプセルを見分けがつかないようにして40日間摂取してもらいました。その結果として、シナモン組は量に関係なく血糖値、コレステロール値、中性脂肪値が30%以上も低下したのだそうです。

そのしくみは不明ですが、ドクター アンダーソンによるとシナモンにはインスリン分泌を増大させて、より効率よくからだの細胞にブドウ糖を取り込ませる未知の『物質』があるのだろうとのことです。
以前の研究ではシナモンが脂肪細胞に作用してブドウ糖の取り込みを高めることが分かっていたそうです。動物実験やイン・ビトロ(試験管の実験)ではシナモンが糖代謝を20倍も高めたとも同博士は説明します。」

また、ドクター アンダーソンによると、1日に2~3グラムのクローブにも、同様の効果があるとのこと、どちらのスパイスも、糖尿病予備軍や、糖尿病の両方の方々や、メタボリックシンドロームの方々を助けるかもしれません。

クローブの研究は、2型糖尿病と診断された36人の男女を対象に行われました。4つのグループに分け、30日間、1日1グラム、2グラム、3グラムのクローブのカプセルを摂るグループと、スパイスを一切摂らないグループのいずれかにランダムに割り当てられました。

30日後、クローブに量に関係なく、クローブを摂った全員が、血糖値、中性脂肪、悪玉(LDL)コレステロールのレベルを下げました。血液中の善玉(HDL)コレステロールは、影響を受けませんでした。スパイスを摂らなかった人々では変化はありませんでした。

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黒糖(黒砂糖)と血糖値

黒糖(黒砂糖)には血糖値の急上昇を抑える作用があります。(黒糖は上白糖・グラニュー糖よりGI値が低いとされる)

黒糖は、カルシウム、カリウム、ナトリウ、マグネシウ、マンガン、リン、亜鉛、鉄、銅といったあらゆるミネラルが豊富で、さらにビタミンB1やB2ばかりでなく、ナイアシン、パントテン酸などのビタミンB群がバランスよく含まれている。

また、その他の有効成分として

・フェニルグルコシド
血糖値の急上昇を抑える作用があり。また腸で余分な糖を捕まえて体外に排出する働きがある。
・メラノイジン
色素が糖の吸収を遅らせる。
・オクタコサノール
ストレスへの抵抗力や持久力、体力を高め、「筋肉痛予防」「コレステロール抑制」「疲労回復」に効果がある。
・抗酸化ポリフェノール
免疫賦活作用があり、ガンへの抵抗力が高まると期待される。
・ラフィノース
オリゴ糖の一種で、熱にも強く、胃や小腸の酵素で消化されることなく大腸に達することができるので、大腸のビフィズス菌や乳酸菌の栄養源となり、腸内環境を整える作用が期待される。

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果糖と血糖値

果糖(フルクトース)は血糖値をあげないのか?
果糖は、血糖値をあまりあげることがなく、インスリンもそんなに要求しない糖で、血糖値をあげずに代謝できるので、膵臓を疲れさせない糖とも言えます。ただし、大量に摂ると肝臓に貯蓄されたり、高中性脂肪血症、高尿酸血症を起こす可能性があり、肥満にもつながるとは言われてます。果糖の摂取量が増えると、脂質代謝に異常をきたし、中性脂肪が増え肥満や脂肪肝になる。つまりブドウ糖より太りやすい糖質だといえます。
また、果物はほとんどが果糖で安全な糖だからどれだけ食べても大丈夫という間違った知識が病気のもとになっていたりします。特に最近の果物には、過度に糖度を上げたものがありますので注意が必要です。もちろん、普段食べているくらいの量より少し多いくらいなら全く問題ないといえます。

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出典:毎日くだものを200ぐらむ!

http://www.kudamono200.or.jp/index.html

果糖を摂取したときに血糖値が上がりにくいのは、果糖はブドウ糖に比べて腸管での吸収が遅く、また、果糖の一部は肝臓でブドウ糖に転換されますが、果糖を代謝する酵素の活性はブドウ糖の酵素より強く、ブドウ糖より早く代謝され、ほとんどエネルギーに転換されたり、グリコーゲンとして貯蔵されてしまうためと考えられている。
また、くだものにも含まれている食物繊維は、急激な血糖値の上昇を抑制する作用があります。これは、豊富に含まれる水溶性食物繊維が胃や小腸内で粘度の高い状態になり、糖質の消化や吸収の速度が緩和されるため、血糖値の上昇が緩やかになると考えられています。このように、くだものは血糖値をあげにくい食品です。

くだものは、ビタミンCやカリウム、食物繊維の含有量が多く、摂取カロリーを制限された食事でも効率良く必要な栄養素がとれる食品で、日本糖尿病学会でも1日1単位(80kcal分、みかんなら2個程度)のくだもの摂取を勧めています。
適度の量のくだものを食べる人は、血液中の中性脂肪の含有量を正常化し、痛風等生活習慣病にかかる率が低いことが明らかになっています。

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出典:食べない生き方 http://inedia.jp/hokazono.html

果物の糖質は、果糖を主成分に、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコールなどから構成されています。
それぞれの糖の比率は果物の種類によって異なりますが、これらの糖質のうち果糖は10%くらいしかブドウ糖に変わらず、残りの90%は果糖のまま吸収されます。果糖は単体であれば、肝臓で中性脂肪トリグリセドに代謝されるので、血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの追加分泌もほとんどありません。
摂り過ぎれば高トリグリセド血症になる事もありますが、果物に含まれる程度の量であれば、問題になる事はまずないです。従って、果物の糖質のうち約半分が果糖だと仮定すれば、穀物の糖質に比べれば血糖値を上昇させにくいと言えます。

果物を食べると、体が冷えるとか、血糖値が上がるとか、糖尿病になるなどと思われがちですが、そのような事はありません。果物はいくら沢山糖を含んでいても、食物繊維と一緒に入っているため、果物を食べても、血糖値が急激に上がるような事にはならないのです。

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「果糖は、肝臓や筋肉で変換されてから、TCAサイクルに入ってエネルギー源となり、血糖値は上げない」といわれています、摂取後の血糖上昇を比べるグリセミック指数によると、ブドウ糖を100とすると果糖は20と極端に低くなり、血糖値がわずかしか上がりらない。(ただしこれは正常な人のデータで、糖尿病を発症している人の代謝は異なる場合があるらしい)

だから十数年前には欧米では果糖は血糖値に負荷をかけない甘味料として糖尿病用に勧められていたが、今では果糖の摂りすぎは血中脂質に悪影響があることがわかっている、果糖は代謝が早く太りやすいといわれるゆえん。過剰の果糖は、「乳酸」「脂肪酸」「コレステロール」という「貯蔵可能な物質」に変換される。

ブドウ糖が全身の細胞で代謝されるのに対し、果糖は主に肝臓で分解される。消化の速い清涼飲料水などで大量に果糖を摂取すると、果糖は肝臓で分解されて中性脂肪が生成される。

その結果として、肝臓に中性脂肪がたまり過ぎると肝機能が低下する。また、血液中の中性脂肪が高い状態が長く続くと、血圧の上昇やインスリンへの反応の低下を招くことがある。すると膵臓は、血糖値を一定に保つため、ますますインスリンを分泌するようになる。

これがメタボリック・シンドロームの始まりとなり、ウエスト周りの脂肪や高血圧といった代謝がらみの問題が発生して、放置すると糖尿病を発症し、心臓発作のリスクも増大するおそれがあるということらしい。

また、血液中に存在する糖がタンパク質や脂質と結合する糖化反応が、身体の体タンパク質で起こると変性を起こして老化の原因になるとわかってきました。果糖である(フルクトース)もブドウ糖(グルコース)もあらゆる糖は同じようにタンパク質と結合して糖化産物であるAGEs(advanced glycation end products:終末糖化合物)を形成するものと考えられていました。しかし、その後の研究では、果糖(フルクトース)と乳糖(ガラクトース)は、ブドウ糖(グルコース)に比べて10から15倍糖化反応が高くなることがわかったのです。それに伴いインスリン抵抗性が高くなる可能性とリスクも高くなります。つまり、果糖は、ブドウ糖より蛋白質結合しやすく、血液中に存在するとAGEs(終末糖化タンパク:細胞・組織の老化原因物質)を作り出しやすいといえます。

果糖代謝の中間体である「グリセロアルデヒド」から作られるAGEsは『Glycer AGEs』と呼ばれ、他のAGEsよりも毒性の強いAGEsと考えられている(そのためこのAGEsは『TOXIC AGEs:毒性AGEs』と呼ばれる)なぜ「毒性」と呼ばれるかというと、このAGEsからは大量の活性酸素が生み出されるからです。糖尿病合併症の主原因はこれではないかと考えられています。
(当然、ブドウ糖からもグリセロアルデヒドが作られ、TOXIC AGEsが作られます)
果物ばかり食べる、フルータリアン(果実食主義者)は糖尿病が多発し、どちらかというと「老けた印象」が強いともいわれています。
くりかえしになりますが、普段食べているくらいの量より少し多いくらいなら全く問題ないといえますし、積極的に食べるのはいいと思います。

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認知症のアルツハイマー病は、インスリンがうまく働かない糖尿病の一種

出典:九州大 中別府雄作・主幹教授

糖尿病がアルツハイマー病を引き起こしやすいことがわかってきた。インスリンがあっても糖をうまく処理できない傾向が強い人ほど、アルツハイマー病を発症しやすかった。

http://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/nfg/index.html

「近年、糖尿病がアルツハイマー病を含む認知症の危険因子となることが報告され、その結果認知症高齢者が増加している可能性が示唆されています。しかし、なぜ糖尿病がアルツハイマー病の危険因子となるのかその分子メカニズムはよく理解されていません。私たちは、九州大学で50年間にわたって継続されている久山町研究に献体された方の死後脳を用いて遺伝子発現プロファイルを調べました。その結果、アルツハイマー病患者脳では、アミロイドβ産生や神経原線維変化ではじまるアルツハイマー病特有の病理変化により脳内のインスリン・シグナリング系が破綻していることを発見しました。インスリン・シグナリング系が破綻したアルツハイマー病患者の脳は代謝障害や炎症反応に起因する様々なストレスに対して著しく脆弱となります。このような状況下で末梢のインスリン抵抗性または糖尿病を発症すると、さらにアルツハイマー病の病態が悪化し、その進行が促進されることになります。 」

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肥満や高血圧、喫煙などとともに、糖尿病患者では若くして脳が萎縮することが報告されている。糖尿病でない人と比べ、海馬という記憶をつかさどる脳の領域の体積が早く減っていくという研究結果も報告されています、糖尿病が先なのか、アルツハイマー病が先なのかはよくわかりませんが、これもメタボリック症候群によるドミノ倒し(メタボリックドミノ)のパターンで、糖の代謝障害がなんらかの原因となっていると思われます。

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2型糖尿病患者の重症低血糖発作が心血管病のリスク上昇と関連

出典:国立国際医療研究センター糖尿病研究部

2型糖尿病患者における「重症低血糖」は心血管病リスクと関連することが、国立国際医療研究センター糖尿病研究部(後藤温上級研究員、野田光彦部長)が行った、6研究・90万人以上を対象とした研究で明らかになった。重症低血糖を予防しながら血糖コントロールを行うことが、心血管病発症予防のために重要であることが示された。研究は、英医学誌「ブリティッシュ メディカル ジャーナル (BMJ)」に7月30日(英国標準時間)に発表された。

網膜症、腎症、神経障害(細小血管症)や、心筋梗塞、脳卒中(大血管症)などの「合併症」は、生命予後や生活の質(QOL)を脅かす要因となる。血糖をしっかり下げれば、こうした合併症を予防できる。しかし、血糖値をただ下げれば良いというわけではなく、低血糖を避けながら、無理なく血糖を低下させる計画的な血糖コントロールが重要と考えられている。

2型糖尿病における心血管合併症の抑制を目指した大規模介入試験である「ACCORD試験」が米国やカナダで行われた。標準治療群(HbA1c平均値 7.5%)に比べ、強化治療群(HbA1c平均値 6.4%)で総死亡が約22%増加するという結果が2008年に発表され、世界的に注目された。それまで、血糖値を低くコントロールすれば糖尿病合併症を抑えられると考えられていたので、逆に死亡が増えてしまったのは想定外だった。

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