果糖と血糖値

果糖(フルクトース)は血糖値をあげないのか?
果糖は、血糖値をあまりあげることがなく、インスリンもそんなに要求しない糖で、血糖値をあげずに代謝できるので、膵臓を疲れさせない糖とも言えます。ただし、大量に摂ると肝臓に貯蓄されたり、高中性脂肪血症、高尿酸血症を起こす可能性があり、肥満にもつながるとは言われてます。果糖の摂取量が増えると、脂質代謝に異常をきたし、中性脂肪が増え肥満や脂肪肝になる。つまりブドウ糖より太りやすい糖質だといえます。
また、果物はほとんどが果糖で安全な糖だからどれだけ食べても大丈夫という間違った知識が病気のもとになっていたりします。特に最近の果物には、過度に糖度を上げたものがありますので注意が必要です。もちろん、普段食べているくらいの量より少し多いくらいなら全く問題ないといえます。

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出典:毎日くだものを200ぐらむ!

http://www.kudamono200.or.jp/index.html

果糖を摂取したときに血糖値が上がりにくいのは、果糖はブドウ糖に比べて腸管での吸収が遅く、また、果糖の一部は肝臓でブドウ糖に転換されますが、果糖を代謝する酵素の活性はブドウ糖の酵素より強く、ブドウ糖より早く代謝され、ほとんどエネルギーに転換されたり、グリコーゲンとして貯蔵されてしまうためと考えられている。
また、くだものにも含まれている食物繊維は、急激な血糖値の上昇を抑制する作用があります。これは、豊富に含まれる水溶性食物繊維が胃や小腸内で粘度の高い状態になり、糖質の消化や吸収の速度が緩和されるため、血糖値の上昇が緩やかになると考えられています。このように、くだものは血糖値をあげにくい食品です。

くだものは、ビタミンCやカリウム、食物繊維の含有量が多く、摂取カロリーを制限された食事でも効率良く必要な栄養素がとれる食品で、日本糖尿病学会でも1日1単位(80kcal分、みかんなら2個程度)のくだもの摂取を勧めています。
適度の量のくだものを食べる人は、血液中の中性脂肪の含有量を正常化し、痛風等生活習慣病にかかる率が低いことが明らかになっています。

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出典:食べない生き方 http://inedia.jp/hokazono.html

果物の糖質は、果糖を主成分に、ショ糖、ブドウ糖、糖アルコールなどから構成されています。
それぞれの糖の比率は果物の種類によって異なりますが、これらの糖質のうち果糖は10%くらいしかブドウ糖に変わらず、残りの90%は果糖のまま吸収されます。果糖は単体であれば、肝臓で中性脂肪トリグリセドに代謝されるので、血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの追加分泌もほとんどありません。
摂り過ぎれば高トリグリセド血症になる事もありますが、果物に含まれる程度の量であれば、問題になる事はまずないです。従って、果物の糖質のうち約半分が果糖だと仮定すれば、穀物の糖質に比べれば血糖値を上昇させにくいと言えます。

果物を食べると、体が冷えるとか、血糖値が上がるとか、糖尿病になるなどと思われがちですが、そのような事はありません。果物はいくら沢山糖を含んでいても、食物繊維と一緒に入っているため、果物を食べても、血糖値が急激に上がるような事にはならないのです。

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「果糖は、肝臓や筋肉で変換されてから、TCAサイクルに入ってエネルギー源となり、血糖値は上げない」といわれています、摂取後の血糖上昇を比べるグリセミック指数によると、ブドウ糖を100とすると果糖は20と極端に低くなり、血糖値がわずかしか上がりらない。(ただしこれは正常な人のデータで、糖尿病を発症している人の代謝は異なる場合があるらしい)

だから十数年前には欧米では果糖は血糖値に負荷をかけない甘味料として糖尿病用に勧められていたが、今では果糖の摂りすぎは血中脂質に悪影響があることがわかっている、果糖は代謝が早く太りやすいといわれるゆえん。過剰の果糖は、「乳酸」「脂肪酸」「コレステロール」という「貯蔵可能な物質」に変換される。

ブドウ糖が全身の細胞で代謝されるのに対し、果糖は主に肝臓で分解される。消化の速い清涼飲料水などで大量に果糖を摂取すると、果糖は肝臓で分解されて中性脂肪が生成される。

その結果として、肝臓に中性脂肪がたまり過ぎると肝機能が低下する。また、血液中の中性脂肪が高い状態が長く続くと、血圧の上昇やインスリンへの反応の低下を招くことがある。すると膵臓は、血糖値を一定に保つため、ますますインスリンを分泌するようになる。

これがメタボリック・シンドロームの始まりとなり、ウエスト周りの脂肪や高血圧といった代謝がらみの問題が発生して、放置すると糖尿病を発症し、心臓発作のリスクも増大するおそれがあるということらしい。

また、血液中に存在する糖がタンパク質や脂質と結合する糖化反応が、身体の体タンパク質で起こると変性を起こして老化の原因になるとわかってきました。果糖である(フルクトース)もブドウ糖(グルコース)もあらゆる糖は同じようにタンパク質と結合して糖化産物であるAGEs(advanced glycation end products:終末糖化合物)を形成するものと考えられていました。しかし、その後の研究では、果糖(フルクトース)と乳糖(ガラクトース)は、ブドウ糖(グルコース)に比べて10から15倍糖化反応が高くなることがわかったのです。それに伴いインスリン抵抗性が高くなる可能性とリスクも高くなります。つまり、果糖は、ブドウ糖より蛋白質結合しやすく、血液中に存在するとAGEs(終末糖化タンパク:細胞・組織の老化原因物質)を作り出しやすいといえます。

果糖代謝の中間体である「グリセロアルデヒド」から作られるAGEsは『Glycer AGEs』と呼ばれ、他のAGEsよりも毒性の強いAGEsと考えられている(そのためこのAGEsは『TOXIC AGEs:毒性AGEs』と呼ばれる)なぜ「毒性」と呼ばれるかというと、このAGEsからは大量の活性酸素が生み出されるからです。糖尿病合併症の主原因はこれではないかと考えられています。
(当然、ブドウ糖からもグリセロアルデヒドが作られ、TOXIC AGEsが作られます)
果物ばかり食べる、フルータリアン(果実食主義者)は糖尿病が多発し、どちらかというと「老けた印象」が強いともいわれています。
くりかえしになりますが、普段食べているくらいの量より少し多いくらいなら全く問題ないといえますし、積極的に食べるのはいいと思います。

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