農林水産庁の「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」はかなり本気らしい

農林水産庁は、近年、食を巡る健康上の問題が注目されている、しかし健康上の問題を抱えた方々のニーズに合った農林水産物やその加工品の安定的な供給システムが確立されていないとして、「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」を立ち上げ、画期的な農林水産物やその加工品の開発及び個人の健康状態に対応した供給システムの開発を実施しています。

■(1)機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト
~食べても太りにくいお米の開発など~
食と健康に関心を抱く国民の増加とメタボリックシンドロームの増加等に対応するため、個人の健康状況に応じ、機能性を持つ農林水産物や食品を供給するシステムの確立を図っている。例えば、消化が遅く血糖値が上がりにくい米、中性脂肪 低下成分を多く含む大豆等。
以下、現時点での実施課題-18-(2014/10)

・食後血糖上昇を抑制する高アミロース米等とその加工食品
・高β-グルカン大麦・小麦全粒粉を用いた低GI/抗メタボ食品
・食後血糖上昇を抑制する表面研削加工玄米やその加工食品
・ルチン高含有ダッタンソバ「満天きらり」を用いた脂質代謝改善効果のある加工食品
・抗酸化物質高含有食品による睡眠改善を介した抗メタボ効果検証と商品
・脂質代謝改善効果を持つβ-コングリシニン高含有大豆の栽培技術及び加工食品
・認知機能障害予防作用を持つケルセチン高含有タマネギの栽培技術及び加工食品
・日本の伝統健康野菜ゴーヤのエビデンスとサイエンスを根拠とする適正商品化技術
・カロテノイド類の生体調節機能に着目した抗メタボ食品提供技術の開発
・β-クリプトキサンチンの抗メタボ効果等に着目した柑橘及びその加工食品
・脂質代謝改善効果を持つ高カテキン緑茶及びその加工食品

■(2)食品の新たな機能性表示制度における機能性の表示
規制改革実施計画(平成 25 年6月 14 日閣議決定)において、「特定保健用食品、栄養機能食品以外のいわゆる健康食品をはじめとする保健機能を有する成分を含む加工食品及び農林水産物について、機能性の表示を容認する新たな方策をそれぞれ検討し、結論を得る。なお、その具体的な方策については、民間が有しているノウハウを活用する観点から、その食品の機能性について、国ではなく企業等が自らその科学的根拠を評価した上でその旨及び機能を表示できる米国のダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にし、企業等の責任において科学的根拠のもとに機能性を表示できるものとするようです。特保以外の健康食品にも機能表示が可能ということらしい。

(1)・(2)項を農林水産技術会議より引用させていただきました、どうでしょう、「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」HPをご覧いただくと、かなり本気度が伝わってきます。「機能性を持つ農林水産物(妙な表現していますね)・食品は、最終的に消費者がその特性を理解し、一時的なブームではなく継続的に摂取するようになることが理想である」としていることから、このプロジェクト成果がサプリ的な扱いではなく、日常における継続的な食習慣に取り入れられることを狙っているようです。機能性食材もそうですが、農産物や加工品に機能表示できるのは、消費者としては選択時にありがたい指標になると思います。政府の太鼓持ちではありませんが、ここは真剣に応援したいところですね。

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