糖尿病でもスイカを食べて大丈夫?

スイカは血糖値に注意が必要な方でも食べて大丈夫だといえます

夏はやっぱりスイカ食べたいですよね!スイカは水分が多く4~6%の糖分(果糖、ブドウ糖)も含むため、夏の水分・エネルギー補給に適した果物です。スイカのGI値(グリセミック指数)は「72」とわりあいに高いほうなのですが、実際には血糖値はあまり上がりません。
重量の大部分が水分で炭水化物の含有量が非常に少ないため、炭水化物がブドウ糖として体内に吸収される速度は速くても、血糖値を大きく増加させるには至らないからだそうです。つまり、大部分が水分なので中玉1/8くらいでは血糖値への負荷が少なく、適量を食べているかぎり問題ないと考えられます。
(スイカを単独で食べた場合、食後血糖値の上がり方が早く、戻るのも早いようです、2時間後にはもう元の平常値に近い状態まで戻っている人もいますので測定する場合は注意が必要です、いつものように2時間後に測って血糖値が上がってないからといって安心してはいけません)
ただ、糖尿病性腎症で顕性腎症後期まで行かれている方は、カリウム摂取量(g/日)に規制がありますので、スイカでも注意が必要です。
(現在、腎臓病患者向けに低カリウムメロンが発売されています、もうしばらくすると低カリウムスイカも開発されるかもしれません。【低カリウムメロン】か【ドクターベジタブル】で検索してみてください)

血糖値への負荷ということ:グリセミック負荷(GL)

グリセミック指数(GI)では、炭水化物がブドウ糖として吸収されるペースを示しますが、グリセミック指数(GI)が高い食品でも炭水化物の含有量が少なければ、体に与える影響が少なくなります。
そこで考案されたのがグリセミック負荷(GL)です。GL値とは簡単に言えば、実際の食事でその食品を取る分量を考慮して、実際にその食品でどれだけ血糖値を上げてしまうかを示す目安です。

これは、グリセミック指数(Glycemic Index)とグリセミック負荷(Glycemic Load )の関係を整理する必要があります。
グリセミック負荷(GL)=食品のグリセミック指数(GI:血糖値が上がる速さ)/100×その食品に含まれる炭水化物の量(グラム数)

GL=GI/100×その食品に含まれる炭水化物の量(グラム数) となります。
スイカ一切れのGL値は低くとりたてて心配する必要もありません。

スイカの効能について

■カリウム
カリウム含量は可食部100g当たり120mgと、カリウムの豊富なスイカには利尿作用があることが知られ、腎臓病の薬とされてきました。カリウムはナトリウムを排泄する作用を持つことから、高血圧の予防にも役立つとされています。

■リコピン
スイカには100 g当り4~11 mgのリコピンが含まれていて、特に果肉の赤いスイカに豊富にあります。リコピンを多く含む食品としてトマトが有名ですが、USDA(アメリカ農務省)の研究によると、生のトマトよりもスイカの方が約40%も多くリコピンが含まれていて、体内に吸収されやすいとのことです。
リコピンは、β-カロテンの約2倍、ビタミンEの100倍以上の一重項酸素(活性酸素)消去活性を示すことが明らかにされたため、その強い抗酸化作用が注目されている機能性成分です。
(スイカの総リコペン含量は品種によってかなりの差があり、種無し品種にリコペン含量の高いものが比較的多いことが明らかとなっています)

■シトルリン
シトルリンが、スイカ(果実・果皮ともに)には含まれており、その作用として強い利尿作用があり、むくみや高血圧によいとされています。また、血流量をアップさせる作用があります。血流量の増加で、新陳代謝の向上、疲労回復、冷え性の改善、男性機能の回復などの効果も期待されます。さらに、肌をすべすべにし、美白効果があると言われています。
L-シトルリンに富むスイカのジュースを餌に加えてⅡ型糖尿病モデルラットを飼育すると、アルギニンの生体利用性を高め、循環器系のリスクファクターの低減や血糖コントロールの改善などによりメタボリックシンドロームを回復させることが示されました。
シトルリンについて、くわしく知りたい方は「シトルリン研究会:http://www.citrulline.jp/about/work/」を参考にしてください。

■マンノシダーゼ(糖質分解酵素)
糖分の過剰摂取を解消する酵素で、これが血糖値上昇を抑えてくれます。また、ダイエット効果で注目されたりしましたが適量の摂取でのダイエット効果のほどは不明です。

極端に食べすぎないかぎり、スイカは糖尿病患者にとっても積極的に食べてよい果物といえます。

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