糖尿病セルフチェック

■食後に尿を試験紙にかけるだけで判定できる、尿糖チェックとは

尿糖チェックは、糖尿病発見の手軽な方法です。病院に行かず自分で糖尿病セルフチェック行うには、血液で測る血糖チェックと尿で測る尿糖チェックの2つの方法がありますが、血液でチェックする場合は、病院での検査と同様に採血や専用の血糖測定器が必要です。一方、尿糖チェックは、食後に尿を「尿糖試験紙」にかけるだけ、30秒で判定ができます。自宅で手軽にできる、糖尿病チェック方法です。

一般的に血糖値が160~170mg/dLを超えると、尿中に糖が出てきます。尿糖チェックは、夕食後2時間を目安に行ってください。正常な方の食後2時間血糖値は140mg/dL未満なので試験紙に、反応がでることはありません。ただし、チェックの結果が+だとしても、ただちに糖尿病確定だというわけではありません、この診断は医師によるきちんとした調査が必要です。あらためて医療機関で診断してもらってください。尿糖試験紙10枚入りで700円程度で購入できます。

テルモ株式会社 :
■ウリエースKc http://www.terumo.co.jp/consumer/products/healthcare/shikenshi/kc.html
(尿ブドウ糖、尿蛋白、尿潜血の3点がセットになったキットで腎臓機能も合わせてチェックする場合)
■新ウリエースGa http://www.terumo.co.jp/consumer/products/healthcare/shikenshi/ga.html
(尿糖の自己検査用です)
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テルモの注釈: 新ウリエースGaは、尿中の糖を検査するものであり、病気の診断、予防をするものではありません。「尿糖」が検出された場合は、医師にご相談ください。また「尿糖」が検出されなくても、何らかの症状がある場合には医師にご相談ください。
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テルモ尿ブドウ糖試験紙説明書

@テルモ尿ブドウ糖試験紙説明書

■さらに詳細に調べる検査キット

尿糖チェックでは、あいまいで不安だという方はHbA1c(ヘモグロビンエイワンシー)検査キットもあります。HbA1cは、2~3ヶ月間の血糖値を反映しますので、糖尿病のよりよい判定指標となります。自分で採血し宅配便で検査会社に送るタイプです。送り返して3日(営業日)前後で、メールで検査結果が送られてきます。血糖値とHbA1cを含む、生活習慣病に関係する中性脂肪(TG)など10数項目(検査会社により異なります)について検査できます。「血液検査キット」で検索してみてください。1回の検査でおおよそ5,000から7,000円程度です。自分で採血といっても簡単で、それほど痛くもありません。
病院で検査をご希望の場合は、一般的には内科(糖尿病など専門科があればそちらへ)を受診して、不安に思っている健康状態を説明して、診断のために一般的な血液検査を受けたい旨を医師伝えれば保険適用で、初診料合わせて5,000円程度かと思います。病院によって異なります。ただ検査したいというだけでは全額自己負担になりますので注意しましょう。

■HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)とは

HbA1cは赤血球の中で体内に酸素を運ぶ役目のヘモグロビンと、血液中のブドウ糖が結合したものです。HbA1cの値を調べれば、過去1~2ヶ月の血糖の平均的な状態を知ることができます。
HbA1cは、検査前数日間の食事や運動などの生活習慣の影響はほとんど受けず、したがって「ごまかしが効かない」検査値といえます。その分、高血糖、さらには糖尿病を早期に発見できる可能性が高い、信頼性の高い指標といえるのです。しかも、血糖値のように空腹時に測る必要もなく、食事に左右されずにいつでも検査ができる利点もあります。
HbA1c値(NGSP値)が6.5%以上の場合、糖尿病型と判定し、糖尿病が強く疑われます。

■薬局店頭で「HbA1c測定」

2010年10月から東京都足立区の10箇所、また2012年10月からは、徳島県内の10箇所の薬局で、店頭に指先採血HbA1c測定装置を常設し、これまで検査を受けずにいた人々に、糖尿病で通院中でなければ無料でHbA1c検査をしてもらい、未発見の糖尿病や予備群の早期診断へつなげていこうという活動が続けられています。測定に必要な血液量は1マイクロリットル)と微量で可能なので、血液検査へのハードルを下がることで、誰もが検査を受けられるようになると期待されています。
2010年10月から2013年6月までの、「糖尿病診断アクセス革命」プロジェクト開始以来の被験者数2,514名のうち、糖尿病が強く疑われた人(HbA1c 6,5以上)は約12%、糖尿病予備軍と疑われた人(HbA1c 6,0-6,4)は約16%。併せて3割近くの人が医療機関への受診推奨となったそうです。このようなサービスが全国どこでも受けられるようになるといいですね。

詳しくは下記のサイトをご覧ください。
糖尿病診断アクセス革命」:http://a1c.umin.jp/index.shtml

■献血に行ってグリコアルブミン値(15.6%未満が標準値)を検査してもらう■

献血すると血液検査をしてもらえます。献血でできる評価は「グリコアルブミン値」による糖尿病の有無となります。グリコアルブミン検査は現状では糖尿病の診断には用いられていませんが、多くの研究により、血糖値や HbA1c値など他の糖尿病関連検査とよく相関することが明らかになっています。血清中のタンパクの一種アルブミンとブドウ糖が結合したものをグリコアルブミンといいます。インスリン治療中などで血糖の変動が激しい場合に、HbA1cと同様に、過去の血糖値の変動を推定できる指標として利用されています。

日本赤十字社では、グリコアルブミン値が15.6%以上16.5%未満を「正常高値」として協力者へ注意を促し、16.5%以上18.3%未満は「境界域」、18.3%以上は「糖尿病域」と判定し、受診を勧めています。
HbA1c値を計るには、食事の影響を受けて大きく変化するため空腹時でなければいけない、検査用に血液を余計に取らないといけないとか、計測するのに高価な機器が必要だったりする等デメリットがあるためグリコアルブミン値を利用しているようです。
グルコアルブミン値の特徴ですが、HbA1cが1~2ヶ月以内の血糖状態を表すのに対して、最近2週間~1ヶ月以内の血糖状態がわかるようです。アルブミンの半減期は20日前後で、グリコヘモグロビンの120日という寿命より短期間です。したがって、グリコヘモグロビンよりも近い過去の血糖コントロール状態を知ることができます。
(病気や治療等の経験や渡航の経験などで、献血できない場合もありますのでご注意ください)

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