糖尿病の低血糖と高血糖

■低血糖(血糖値が60mg/dl以下になった状態)

手違いによる投薬ミス、過度のアルコール摂取、激しい運動やストレスなどによりひきおこされる場合があります。低血糖状態のまま適切な治療を行わないで放置すれば,昏睡に陥り数時間経過すると死亡したり、血糖が回復しても植物人間になる可能性があります。登山、ハイキングやゴルフなど長時間の運動を行う場合はあらかじめブドウ糖の補給源としてビスケット、クラッカー、果物やスポーツ飲料等を携帯し糖分の補給を心がけてください。慣れたころに無理をすると危険です。

ー低血糖の場合に現れる症状ー
異常な空腹感・脱力感・手指のふるえ・冷汗・動悸などが突然に出現し、血糖を上げることにより消失します
1.震え
2.不安感がつよい
3.動悸、頻脈
4.発汗、動悸がする
5.手足が冷える
6.寒けがする
7.すぐにお腹が減る
8.吐き気
9.腹部不快感
10.頭痛
11.手足の先にしびれやチクチク感がある
12.うつ、怒りっぽさ
13.無関心、倦怠感、疲労、白昼夢
14.混乱状態になって考えられない
15.目まい
16.ろれつが回らない、うまくしゃべれない
17.脳卒中や心臓の発作
18.昏睡

ー低血糖になった場合の応急処置ー
ブドウ糖や砂糖を飲んでください
1.ブドウ糖(錠剤やゼリーで10~20gを摂取)
2.1/2カップ程度のジュースやコーラ(赤缶)
3.キャンデー5から6粒(緊急時にすぐに効果が出ないが、ないよりはまし)

意識がなくなった場合にそなえて、家族や身近な人に低血糖について説明しておいて下さい。
放置せず、すぐに病院に搬送するように手順を伝えておきましょう。

■高血糖
一時的な高血糖の場合は自覚症状がないことが多いですが、慢性的にかなりの高血糖が続く場合、すぐにのどが渇く・いつもより空腹感を覚える・夜間に何度もトイレにいくなど下記の症状があらわれます。

-血糖値が高すぎる場合に、現れる悪影響ー
1.多飲 – 頻繁にのどが渇く
2.多食 – 頻繁に空腹感に襲われる
3.多尿 – 頻尿
4.かすみ目・目の焦点が合わない
5.極度の疲労感がある
6.体重が減ってくる
7.切り傷や擦り傷がなかなか治らない
8.ドライマウス(唾液腺の機能異常)
9.皮膚の乾燥またはかゆみ
10.勃起不全(インポテンツ)
11.再発性感染症(陰部がかゆいカンジダ症等)
12.クスマウル呼吸:異常に深く大きな呼吸が続く状態
13.昏睡・昏迷

詳しくは、「糖尿病セルフチェック」のページを参照ください。

■ケトアシドーシス

また、清涼飲料水やスポーツドリンクをたくさん飲むうちに、糖尿病性ケトアシドーシスに陥るという深刻な問題がおきています。糖尿病性ケトアシドーシスとは、インスリンが不足することで糖の代わりに脂肪代謝が促進し、その代謝の過程でケトン体が生成されますが、このケトン体が蓄積しケトアシドーシスに陥ります、これにより高血糖の症状に加え、脱水・意識障害・昏睡やショックなどの症状を合併します。

ケトアシドーシスの徴候は次のとおりです
1.吐く息に果物(例:熟した柿)のような臭いがする
2.唾液が出なくて口の中が非常に乾燥し、しゃべれないほど
3.息切れがひどい

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