納豆1パック(大豆イソフラボン)で高血圧・高コレステロールを抑制、心臓疾患を予防する

納豆1パック(大豆イソフラボン)で高血圧・高コレステロールを抑制、心臓疾患を予防する

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出典:日本高血圧学会 (出典先:現在リンク切れ)

【日本高血圧学会速報】
大豆蛋白質とイソフラボンの積極的摂取、血圧やコレステロールへの改善効果がRCTで示される通常食に加えて、1日につき大豆蛋白質25gとイソフラボン50mgをさらに摂取すると、血圧値や血清コレステロール値が有意に改善される。
京都大学人間・環境学研究科の神田知氏らは、このような結論を日本人の女性高齢者を対象とした無作為化二重盲験試験をもとに明らかにした。10月25日の日本高血圧学会総会の一般演題「ライフスタイル」にて発表した。心臓疾患のリスクを軽減するといわれ、大豆に微量に含まれている成分であるイソフラボンだが、もともと大豆蛋白質を積極的に摂っているとされる日本人の女性高齢者で同様の効果が示されたので、今後、様々な疾患予防の点で関心を集めそうだ。

対象はあるシルバーカレッジに在籍している60歳から70歳までの日本人女性で、循環器疾患の危険因子を持つと考えられる67人。ここで「危険因子を持つ」とは、収縮期血圧130mmHg以上、総コレステロール値220mg/dl以上の条件を一つ以上満たすこと。介入群は、1日当たり25gの大豆蛋白質と同50mgのイソフラボンを、4週間にわたって通常の食事に加えて毎日摂取してもらった。

具体的には、大豆蛋白質やイソフラボンを強化した、クラッカー、リンゴジュースやオレンジジュース、食パン、ロールパン、おかゆ、カレーを、必要摂取量を満たすように自由に組み合わせて食べてもらう形を採用した。一方、プラセボ群は、色、におい、カロリーにほとんど差がないプラセボ食を、介入群と同じ形式で食べる方法とした。

その結果、収縮期血圧については、介入群は132.4mmHgから122.7mmHgに有意に低下した(p<0.05)。一方、プラセボ群は低下する傾向はみられたものの、有意ではなかった。拡張期血圧については、ともに低下していたが有意差はなかった。

また、コレステロールに関しては、介入群は総コレステロール値が245.5mg/dlから228.1mg/dlに、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が157.3mg/dlから144.5mg/dlに、両方とも有意に低下していた(p<0.05)。これに対して、プラセボ群はともに下がっていたものの有意差はみられなかった。

このように、血圧値やコレステロール値に対する効果が得られたため、神田氏は、「食生活の改善が脳卒中や血管性痴呆症、寝たきりなどの予防に貢献できるのではないか」との期待感を示した。

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出典:HealthDay http://consumer.healthday.com/

イソフラボンが血圧降下に有用?(2012.5.10掲載)
豆乳、緑茶、豆腐およびピーナッツなどの食品に含まれるイソフラボンが、若年成人の血圧降下に役立つ可能性が新しい研究により示唆された。特に、約42%が高血圧と推定されるアフリカ系米国人に有益であると考えられるという。

今回の研究では、米国立衛生研究所(NIH)の支援による大規模研究に参加した5,000人を超える被験者のデータを検討。分析の結果、1日のイソフラボン摂取量が最も多い(2.5mg超)集団は、1日の摂取量が0.33mg未満の集団に比べ、収縮期血圧(最大血圧)が平均5.5mmHg低いことが判明した。食事に換算すると、8オンス(約240cc)のグラス1杯の豆乳には約22mg、炒り大豆100gには130mgものイソフラボンが含まれるという。この研究は、米シカゴで開催された米国心臓病学会(ACC)年次集会で発表された。

「今回の研究は、一般集団への結果の適用性が高い点で類のないものである。この結果から、黒人および白人の若年成人が食事から適度にイソフラボンを摂取すると血圧に有益であることが強く示唆される」と、研究を率いた米コロンビア大学医科大学院(ニューヨーク)のSafiya Richardson氏は述べるとともに、「高血圧の発症率が高く、早発性で末端器官へのダメージが重度であるアフリカ系米国人へのベネフィット(便益)を初めて示した研究である」と付け加えている。

Richardson氏は「例えば、DASHダイエット(果物、野菜、低脂肪乳、全粒穀類の豊富な食事)と組み合わせて大豆蛋白(たんぱく)を摂取することにより、高血圧前症(pre-hypertensives)者の収縮期血圧が10mmHg降下し、高血圧に進行するリスクを大幅に軽減できる可能性もある。米国では高血圧患者の3人に1人しか血圧をコントロールできていないと推定されており、薬剤を必要とせず、簡単に実施できる食事や生活習慣の改善に期待がもたれる」と述べている。イソフラボンは、一酸化窒素(NO)を作る酵素の産生を増大させることによって血管を拡張して血圧を降下させると考えられている。

なお、学会発表された知見は一般に、ピアレビューを受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。
(HealthDay News 3月25日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=663076
Copyright (c) 2012 HealthDay. All rights reserved.
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イソフラボンには血液中のLDL(悪玉)コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす作用があります。この作用によって血管が健康な状態で維持され、血栓が出来にくくなり動脈硬化や高血圧に効果があることが明らかにされています。実際に京都大学名誉教授の家森幸男博士の疫学調査により、尿中のイソフラボン値の高い地域ほど、心臓病の発生率が低いことが明らかにされました。

またイソフラボンはエストロゲンとよく似た組成をしているため、摂取することで女性ホルモンの激減を防ぐ事が分かってきました。動脈硬化を防ぎ心臓病や脳梗塞の予防が期待できるのです。また、閉経後の女性は急激に女性ホルモンの「エストロゲン」が減少してホルモンバランスを崩して、更年期障害を引き起こしますが、イソフラボン(大豆イソフラボン)を摂取することにより、ホルモンバランスを回復して、更年期障害を軽減してくれ骨粗しょう症の予も期待できます。

イソフラボン(大豆イソフラボン)を含む食品は、大豆・豆腐・味噌・納豆などで、納豆なら約1パック、お豆腐なら半分で50mgほどのイソフラボンが摂取できます。納豆がどうしても苦手など、サプリメントを併用する場合には、上限を超えないように考えながら量を調節していきましょう。

通常の食事から大豆・大豆製品をとっている分には、イソフラボンのとりすぎを心配する必要はありませんが、サプリメントでとる場合は用法・用量に注意が必要です。厚生労働省は、多量にとると子宮がんや乳がんのリスクが高まる恐れもあるとして、サプリメントによる過剰摂取への注意を呼びかけています。また、大豆は卵、牛乳と並ぶ三大アレルゲンの一つなので、大豆アレルギーのある人は注意が必要です。

余談 ソフラボンとカプサイシンで育毛効果?
ソフラボンとカプサイシン併用による、育毛効果については、名古屋市立大医学研究科の研究グループが実証したと発表していましたが、学術論文にデータの改ざんがあると学外から指摘された問題で、名市大が設けた調査委員会は、発表された論文にデータの流用やねつ造があったと断定した。(以下、大学が調査結果を公表)

名古屋市立大学における研究上の不正疑義に係る調査結果(概要)(PDF
www.nagoya-cu.ac.jp/secure/7120/gaiyou_web.pdf
名古屋市立大学における研究上の不正疑義に係る言問査結果 (概要). 平成24年3月 ー 9 日
研究上の不正疑義に関する調査報告書(PDF 5MB)
www.nagoya-cu.ac.jp/secure/7120/report_web.pdf

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