蜂蜜(ハチミツ)覚書

蜂蜜(ハチミツ)に関する情報の覚書です。

ミツバチ1匹は、一生をかけてスプーン1杯(約5ミリリットル)ほどの蜜を集めるそうです。また、ミツバチの飛行範囲は、通常巣箱から半径約2〜3kmほどといわれています。働蜂の寿命は1カ月~5ヶ月で、冬の間は巣房にためた蜜や花粉ダンゴを食べて過ごし、温かくなる春先(気温8°Cくらい)から動き出します。
(日本蜜蜂は6°Cから、西洋蜜蜂は9.5°Cから活動開始)
もっとも、巣の中の温度は常時35°Cに保たれていて、産卵・育児には30°Cが必要といわれています。

蜂蜜の風味(味)・匂い・色は、蜜源となった花の種類によって異なりますので、採取された季節や地域により特徴のあるものとなります。その主成分はブドウ糖と果糖(砂糖はショ糖)、それ以外に麦芽糖、オリゴ糖も少々含まれ、後は水分2割位。脂溶性ビタミンを除くビタミン、ミネラル、酵素、有機酸糖が微量含まれています。また、褐色度の強さに比例して灰分やミネラル類が多くなるといわれています。
同じ量なら蜂蜜の甘さは砂糖の2倍。100g 294kcal (砂糖:384kcal)
大匙1杯半程度でお茶碗1杯分のカロリーです。

小さじ1杯 砂糖3g/蜂蜜7g
大さじ1杯 砂糖9g/蜂蜜21g

糖類のGI値
砂糖(Sucrose)———- GI値:65±4
果糖(Fructose)——— GI値:15±4
ブドウ糖(Glucose)—— GI値:103±3
蜂蜜(Honey)———— GI値:32〜61(蜜源により異なる、クローバーなど砂糖と同等のものもある)

花の蜜が蜂蜜になるまで蜂の持っている酵素などで分解され、花蜜(ショ糖)→転化酵素α-グルコシダーゼ)→果糖&ブドウ糖 ブドウ糖→オリゴ糖&グルコン酸 という過程をへます。
(花蜜のままでは水分が多く発酵するため貯蔵性が悪く、蜂は巣の中で口器を使って蜜を膜状に引き延ばすことで、水分を発散させて濃縮する、その時、唾液に含まれる酵素「転化酵素」が蜜に混入し、その作用によって蜜の中のスクロースがグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分解される)
蜂蜜は室温15度前後で結晶が促進されます、結晶化しやすいのは、ブドウ糖成分の多い、菜の花・クローバーで、結晶化しにくいのはアカシア・トチなどです。
(この結晶化しにくい果糖成分の多い蜂蜜はGI値が低くなります)

糖度の低い蜂蜜の場合(76%以下)は室温11~21度で発酵しやすくなります。通常、市販されている蜂蜜は糖度80%以上(水分が20%)程度に調整されているものがほとんどです。

蜂蜜の保管のために、冷蔵庫に入れる必要はありません。室温が22度以上で温度変化が少ない処で保存してください。また、結晶化した蜂蜜は40~50度の湯煎で溶かしてください、60度以上では風味が損なわれるので注意が必要です。

2007年に米ペンシルベニア州立大学の研究者が「子供のせきの軽減に蜂蜜が有効」との報告をしました。2008年にはカナダの研究者たちが「蜂蜜は高い殺菌作用を持ち、抗生物質よりも優れている」との実験結果を発表しています。ただ、蜂蜜が風邪など慢性感染症の治療に役立つ可能性を示唆した結果ですが、全ての蜂蜜に同じ殺菌作用があるわけではなく、蜂蜜の種類が限られており、蜂蜜のどの成分がどのように細菌を殺すのかも不明とのことです。

■飼育の届け出等
蜜蜂を飼育してみようという方は,規模,目的に関わらず届出が義務づけられていますのでご注意ください。養蜂振興法(昭和30年法律第180号)の改正により,平成25年1月1日から,趣味で養蜂されている方も「蜜蜂飼育届出」の提出が必要です。「蜜蜂飼育届出」を提出しない,または虚偽の届出をしたときは,10万円以下の過料に処されることがあります。趣味等で蜜蜂の飼育を行う人も届出が義務となります。ただし、下記に該当する方の届出は不要です。

1.農作物等の花粉受精のため、必要な期間のみ一時的に蜜蜂を飼育する場合
  (ただし、自らの農作物等の作付規模に比べて過大な蜂群を有している場合や、通年飼育している場合は届出が必要です)
2.密閉された構造の設備で蜜蜂を飼育する場合
3.飼育されていない野生の蜜蜂から採蜜を行っている場合

届け出の提出先は、みつばち飼育者の居住地を管轄する家畜保健衛生所などになります。また、家畜伝染病予防法に基づき、腐蛆病検査を受けることが義務付けられています。各家畜保健衛生所では、毎年1回、3~4月ごろを中心に検査を実施しているようです。

■1歳未満の乳児へ蜂蜜を与える場合は加熱殺菌処理のものを用心のため、1歳未満の乳児には加熱殺菌処理をしていない天然の蜂蜜を与えないでください。
なぜ乳児に蜂蜜がいけないかというと乳児ボツリヌス症感染の可能性があるからです。ボツリヌス菌は土壌で芽胞と言われる固い卵のような殻に覆われている状態で存在します。この芽胞は植物の蜜にも含まれ、その蜜や花粉を摂取するとボツリヌス菌に感染することがあります。

成人が蜂蜜を食べてもボツリヌス症を発症しないのは腸内の「正常細菌叢 (いわゆる善玉菌といわれている)」が完成された状態であるのと、免疫機能も発達しているからだそうです。
正常細菌叢がボツリヌス菌の増殖を抑えるので無症状だそうです。しかし、特に生後6ヶ月以前の赤ちゃんは腸内の正常細菌叢が完璧ではなく、生後6ヶ月~で「ほぼ完成」、1歳~で「完成」になるそうです。蜂蜜による乳児ボツリヌス症では生後6ヶ月未満の乳児に見られます。生後6ヶ月~では、蜂蜜によるボツリヌス症はほとんど見られないそうです。

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